なぜ私は毎日走っているのか。フルマラソン・サブ4(サブフォー)への道

50歳を過ぎた普通のサラリーマンが、ある出来事をきっかけに毎日走り続けるそのモチベーションの数々。

初のレース、第1回千曲川ハーフマラソン。

いきなり長野マラソンが本番というのもなんなので、その前に一つ、ハーフマラソンを走ることにしたのは、周囲の勧めもあってとても自然な流れだった。
2014年の11月からマラソンの練習を始めての翌2015年3月15日の日曜日。千曲市が主催する第1回の記念すべき大会、千曲川ハーフマラソンにエントリーした。定員が1,500名ほどで小ぢんまりとしておりスタート時間も11:00と遅め。初心者にはうってつけのレースである。
それまで、所沢市民マラソン5kmと清瀬市民マラソン4kmにしか出場したことのない私にとって初のレース。相手にとって不足ない堂々のハーフマラソン21.0975kmであった。
シューズは、ナイキのエアズームスピードレーサー。数キロ試走しただけのピカピカの新品である。テンションが上がる。
長袖シャツの上にTシャツ。タイツに短パンという出で立ち。気温は確か10℃前後でギリギリ手袋が要らない辺り。コンディションは上々だった。
ただ当日、長野市の南に接する千曲市の会場まで20kmほどを自家用車で移動したため、会場近くで駐車場に入るための渋滞に遭い、ただでさえ緊張しているのにさらに心臓がばくばく(笑)。何とかスタート20分前にはスタート地点に到着できたのだが、20分しか時間がないというのは初心者にはかなりのバタバタであった。
「ヤバい、こんなに平常心を失ってる俺」
と思わずツイート。
心臓が高鳴るのは、初めてスタートラインに立ち、そこからの風景を初めて見ているという状況もあった。
とにかく人が多い。そして何ともカラフルで美しい。
とにかく日常とはかけ離れた景色に、スマホのシャッターを切って切って、切って、という無我夢中な心持ちだったのである。
うわー、うわー、いよいよだ!
緊張は、期待に変わる。
そしてスタート。
頭ではわかっていたが、号砲が鳴っても前に進まない。小規模な大会で、ほんの数分のタイムラグだったにもかかわらず、あの状況は本当にもどかしかった。前に進みたい本能が無理矢理抑え込まれているという感じの閉塞感であった。
作戦は特になく、流れに任せて走る。
天気も良く、見通しは最高。
土手を数珠つなぎになって走る大量の人、人、人。土手の先には真っ白な北信濃の山々。
何という画だろう。美しすぎる。
会話をしながら走る人も結構いて、なかなかリラックスした雰囲気もあった。楽しい。そして周囲に引っ張られてだんだんペースが上がっていく。
フルマラソンで4時間を切るペースは1キロ5分40秒。そのペースでハーフマラソンを走り切るのは最低限の目標としていたが、前半は5:19、5:13、5:08、5:03、5:05、4:59、5:09、5:13、5:01、5:20というその指標を上回るかなりのハイペース。大丈夫か、俺。と思いながら走る自分もいたが、初めてなんだから何事も経験経験、行けるところまで行こう!と割とがむしゃらに走り、5キロ過ぎ辺りでは5分を切ってしまう。呼吸もなかなかに苦しかった。
そして後半。5:15、5:10、5:18、5:14、5:22、5:16、5:02、5:14、5:09、5:26、5:27。
折り返しからペース上げたつもりだったが、周りのペースが落ちている中での走りであったことと、自分のエネルギー低下がうまく把握できず、実際にはイーブンからやや低下といったところ。苦しくはなかった。不思議。
そして嬉しい沿道の応援と素晴らしいスタッフの活躍に感謝。その人数の多さと真剣な応援に、頭が下がる思いで、それぞれの給水所を通過していく。
終わってみればゴールタイムは1時間52分15秒。1キロ当たり5分19秒のペースでハーフを走り切り、初ハーフマラソンで2時間切りを達成したのである。ジョグノートにもその感激がしたためられている。
「やったー\(^o^)/」
15キロ付近で抜かれたch.books(ちゃんねるブックス)の島田浩美さんがゴール後に待っていてくださったのも嬉しかった。ランナーっていいな、と実感。
「松宇さん速いから抜かれるんじゃないかとヒヤヒヤでしたよ!」
と、抜けるわけがない完全なるサブフォーランナーからかけられた気遣い満点の言葉も嬉しかった。
脚全体に広がる激しい疲労感も最高。
実に納得のいく初レースであった。

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初めて見る美しい別世界