なぜ私は毎日走っているのか。フルマラソン・サブ4(サブフォー)への道

50歳を過ぎた普通のサラリーマンが、ある出来事をきっかけに毎日走り続けるそのモチベーションの数々。

ランニングコースいろいろ〜千曲川を渡る北須坂コース

ランニングコースの選定は、ランニングを楽しむため、続けるために特に重要なファクターである。
日本で一番の長さを誇る千曲川は、実家から東に2kmほどのところを流れている。一番近いのは長野電鉄長野線の鉄橋を兼ねる村山橋。小学校1年生の時の遠足の目的地でもある。
東に向かってこの村山橋をランニングで渡ると、何とも言えない充実感に満たされる。
それは、
①日本一の千曲川を踏み越える征服感
長野市から須坂市に踏み入る達成感
長野電鉄や国道の車と併走する醍醐味
④昼に夜に、美しい景色を堪能できる充足感
⑤小学1年生の時に見た風景の向こう側に行くというアドベンチャー
等の理由から来るのだろうと思われる。
橋を渡って国道406号線に沿って走る。すると、ダラダラと長い坂を登り、4kmほどで長野電鉄の須坂駅前に着く。そこから長野電鉄の線路に沿って北に進むと3kmほどで北須坂駅が見えてくる。
須坂市は、東側に志賀の山々を背負うポジションにあり、西側に広がる長野盆地を見下ろすことができる。傾斜地に広がるりんご畑を挟んで見える長野盆地、別名善光寺平は、背後に旭山や地附山といった里山や、その奥にある飯縄山(いいづなやま)や戸隠山、さらに南方の奥にある北アルプスを携えて、なかなか見応えがある。夜は夜景が素晴らしく、宇宙戦艦ヤマトの2作目で登場する敵の要塞ガトランティスを彷彿とさせるものがある。
ランニングにおける達成感と満足感というのは本当に大事で、基本的に、ランニングコースの選定には、それらがいかに満たされるかというポイントがなかなかに重要なのである。この北須坂駅には、小さい頃の記憶があった。
実家から南に徒歩5分のところにあった富士通長野工場にパート勤めをしていた母が、たまにこの駅前にある富士通北須坂工場で働く日があったのである。理由や頻度は忘れてしまったが、そんな時は、父の運転する車で母を迎えに行ったのだった。子ども心には、遠く遠く、遠くにある別世界。歩道を含んだ広い道幅。長野盆地を見下ろすような何とも言えない道の傾斜。そして大きな工場の建物。
そんな憧憬が目の前に迫り、そして自分の足でそれを自分のものにする。この達成感。よっしゃーっ! というゴール感に満ちあふれている。
加えて言えば、会社の後輩夫婦がこの駅前に住んでいるらしく、翌日や当日などに、このコースでのランニングについて話題にするとそれなりの反応が返ってくるというのもいい刺激になっている。
実家から片道で約9km。なかなかの距離である。折り返して帰るもよし、北須坂駅から上り電車に乗って帰るのもよし。体調や天候の変化に対応できる。便利だ。
電車で帰ることを決めると、楽しいのは駅前の居酒屋で一杯ひっかけること。ランニングを始めた頃は、たかぎなおこさんの漫画「マラソン1年生」よろしく飲む楽しみとランニングが一体化していた(笑)。「猪鹿蝶」という店の名前もチョイ悪でグー。というわけで、キープしたボトルを半年くらいで飲み切る感じのペースで北須坂コースを楽しむ日々は続いたのだった。

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千曲川を渡る村山橋北須坂駅前の居酒屋「猪鹿蝶」での一杯