なぜ私は毎日走っているのか。フルマラソン・サブ4(サブフォー)への道

50歳を過ぎた普通のサラリーマンが、ある出来事をきっかけに毎日走り続けるそのモチベーションの数々。

早起き野球と私。

早起き野球は、私が毎日走り続けるモチベーションの一つである。

ネオノバーズ。平成28(2016)年のシーズンから仲間に加えていただき、無事に3シーズンを乗り越えた。今シーズンは、また先発投手としての出番が多くなりそうで、今から身の引き締まる思いでいっぱいである。
その野球リーグは「フルサト早起き野球大会」といい、主催は古里早起き野球連盟である。チーム数は11。かつて長野市内にこのようなリーグが各地区にあったようであるが、今はこの古里地区ともう一つの2リーグが残るのみとのこと。
そんな時代の荒波に棹さすかのように、古里リーグも今シーズンは、3チーム減の8チームでの運営となることが濃厚だそうで、野球好きなオヤジたちにとっては寂しい限りである。
私は、東京勤務から長野勤務に変わった翌シーズンの平成28(2016)年のシーズンから、取引先である製本会社のH田さんに誘っていただいて参加している。H田さんがチームのキャプテン兼捕手という重要なポジションだったことがあったためか、チームのM監督は、いきなり先発投手として私を抜擢してくれた。
私の野球経験は、小学校時代の少年野球のみ。それでも、内野手に加えて投手の経験もあったので、会社でたまに行われる草野球の試合では投手を務めることも多かった。
そして、我が二男が少年野球をしていた時のコーチ経験や、中学で硬式野球クラブチーム「清瀬ポニー」に所属していた時の毎朝行うキャッチボールも、経験といえば経験。何とかゲームを作る自信がないわけではなかった。
それにしても、である。
加入したばかりでまだ海のものとも山のものとも知れない人間を、いきなり先発投手に起用するそのM監督の即断。
私は、本気とも冗談とも取れるホンワカしたM監督の期待に応えるため、始めから飛ばして全力投球。全力と言ってももともと速球派ではないところに年齢から来る衰えもあってか、当然のように打たれまくったのだった。ひどい時には1イニングで同じ打者に2本の柵越え本塁打を食らったこともある。チームも負け続けた。
それでもチームメイトに励まされ、おだてられながら何とか投げ続けていった。特に、キャッチャーのH田さんには本当によく声をかけていただき、ただただ感謝である。
当然ながら、肩や肘に痛みが出て、試合ごとに酷くなっていった。
それでも何とか投げ続け、打ち込まれた後半のイニングでリリーフをあおぐことがあったものの、基本的にはほぼ全試合投げていた。ランニングや登山によって、体力だけはついていたということなのであろう。
リーグ戦ということで、5月からの3か月間で10試合。ほぼ毎週試合があるという感じのまずまずのハードローテーションである。
そして、そんな中、生涯忘れられないであろう出来事が起こる。
肘の調子が悪く、投げる気持ちが萎えて試合前の練習で弱音がもれがちだった私に、H監督から檄が飛んだのである。
「痛いだなんだって言ってられる状況じゃないんだからね! 頼むよっ!!」
ハッとした私。この試合が最後のマウンドになってもいいくらいの強い気持ちで投げ切ることができた。そして、打線の援護もあってこの試合を5-3でものにし、勝利投手となる。
チームとしてシーズン唯一の勝利であった。私はここで大きな成長を成し遂げた。
 
何事も、気持ち次第。
(という場面は本当にある!)
 
翌シーズンは、若手のKくんとの二枚看板となったこともあり、何とか無事に乗り切り、打つ方で幸運にもチーム首位打者を獲得し、リーグの打撃ベスト10に名を連ねることができた。
高校野球の経験者や若い選手が多い中でのこの成績は、本当に嬉しかった。ランニングで鍛えた足腰の強さが大きな武器になっていたのは言うまでもない。
そして昨シーズン。辞めてしまったKくんの代わりに有能な投手S藤さんが加入。ほぼ先発投板をしていただき、私は外野手に専念させていただいていたのだが、そのS藤さんも、今シーズンはチームを離れてしまうという。私の気持ちの投球が求められており、ランニングに加えて筋トレやストレッチ、そしてシャドーピッチングなどもやらなければと焦る日々である。
もう一つ。
古里早起き野球連盟には、とんでもない鉄人、85歳の現役投手がいらっしゃる。
何度か対戦させていただき、声をかけていただける間柄となって、逆にこちらの背筋がピンと張りつめる思いである。
「ナイスピッチング!」と声をかけていただいた日は、感動で胸がいっぱいになった。心から、目標と思える人に巡り会えたのは、本当に幸運である。
負けてはいられない。
そんな、新たな発見と、強烈なインセンティブを私に与えてくれる野球の世界。
チームマネージャーのH坂さん始め、全ての関係者の皆様に心から感謝しながら、もちろん、試合のある日も走ります(笑)。

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負け続けるネオノバーズと85歳の現役投手