なぜ私は毎日走っているのか。フルマラソン・サブ4(サブフォー)への道

50歳を過ぎた普通のサラリーマンが、ある出来事をきっかけに毎日走り続けるそのモチベーションの数々。

「毎日走った記録(紙)」への記録。

朝、仕事を始める前。私は出勤前のランニングや昨夜のランニング、時には週末のランニングを反芻しながら、その結果を心静かに赤ペンで書いていく。

このA4で白い上質紙の定位置は、職場のデスクの上である。この紙に私は、平成28(2016)年8月7日から始まった毎日のランニングの結果を記録しているのである。
 
毎日走るようになってから何となく書き始め、最初の頃はメモ程度だったものが、進化とレベルアップを繰り返し、いつの頃からかやめることができない強い依存性を持つアイテムに変貌を遂げていたのだった。もはや、連続ランがやめられないのか、この記録がやめられないのかわからなくなっている(笑)。
 
文字はかなり小さい。見た目よく、レベルが保たれるように気を配りながら、
①日付
②その日の走行距離の合計
③その月の累計走行距離
④その月の1日平均走行距離
⑤平成28(2016)年8月7日からの累計走行距離
⑥連続ランニングの日数
⑦連続ランニング中の1日平均走行距離
⑧備考
の各項目について、丁寧に丁寧に記入していく。誤記入や計算ミスがないよう、慎重に確認を重ねながらである。特に計算が苦手な私は、平均値を出す場合はもちろんのこと、単なる足し算においても、位が繰り上がる場合など、ほんのわずかでも簡単でない要素があるときは必ず電卓を使ってゆっくりと計算する(笑)。繰り返すが、計算ミスや誤記入は許されない。この、一度狂うとリカバリーが大変であるために一瞬たりとも気が抜けないのがアナログのいいところである。
ひと月に1枚。その月の最後の日の記入が終わると、その月のトータルをエクセルのセルにPCで書き込んでプリントアウト。手書き部分が真っさらになった新しい記入用紙が出来上がる。
月が変わるごとに違う紙に手書きの記録を続ける繰り返しで、今は32枚目となった紙に記録を行っている。
 
この記録が、実にいい。
 
数あるランニングアプリケーションもそれぞれ機能的で使いやすいとは思うが、この、いかにもアナログな、手書きを本分とするこの「毎日走った記録」への記入は、僧侶が写経をするかのような、苦労してまとめた起案文書の自分の名前の右端に印鑑を押すかのような、実に厳かな、何とも画竜点睛な気分にさせてくれるのである。皆さんにもぜひお試しいただきたい。
モチベーションが高まる要素や便利な機能も数多い。まず、月の1日平均走行距離を見ながら、月初め、中頃、最終週と、月の走行距離の目標を微調整する。そして、月の1日平均距離は、単純に30倍31倍すると、マラソン中継のゴール予想タイムのように、その月の最終的な走行距離の予測値が導き出せるので便利だ。
累計走行距離は、これまでの積み上げがそのままダイレクトに見える化されているので単純に嬉しい。
そして、最も気持ちを入れて書く「連続ランの日数」。これが最大のモチベーションであり、走る源泉である(笑)。
そして、割る。
累計の1日平均走行距離は、増えたり減ったりを繰り返しながら、わずかずつ、着実にその値を増やしていく。この、わずかずつ積み上がっていく感じが、自分の成長を表しているような気がして(実際には距離が伸びたからといって実力がついたとは一概には言えないとは思うのだが)本当に励みになる。
よしまたがんばろう!
と、記入後にそのようなファイティングな気持ちになるのはもちろん、走っている最中に記録する場面をイメージしながら、もっと、もっと、あと少し、よし今日はこのくらいで十分だろう、などといったストイックな気持ちになれるというメリットもある。
最後の備考欄には、達成した新記録や長い距離を走った場合の行き先、身体の好不調、病気やケガなど、後世に残しておきたい(笑)特筆すべき事項を記入する。振り返った時に参考になる(実はこのブログを書くに際しての資料(データ)集めにも一役買っているのである。)。
 
さてこの32枚の上質紙。私を依存症にした独特なモチベーション維持装置は、今の私にとって本当に大切な宝物の一つとなってしまった。これがなければ生きていけない(笑)。
この先どうなっていくのか。途絶えるのはランニングが先か、記録が先か。卵が先かニワトリが先か。神か狼か(回文)。
装置の性質上、それを知るのはカミのみなのである。

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これが「毎日走った記録(紙)」